さぬき広島:王頭山&心経山ハイキング編
広島へ
先週のよく晴れた日に、さぬき広島の王頭山(おうとうざん)と心経山(しんぎょうさん)を縦走してきました。
さぬき広島は、塩飽諸島のなかでもっとも広い島(=「広島」)。
島の主産業は、高品質の花崗岩である「青木石」の採石で、
島をまわっていると、あちこちでそびえ立つ断崖に採石場の跡を見ることができます。
「青木石」は現在、青木と甲路を中心に採石されています。
そして王頭山&心経山は噂どおりの絶景でした!
特に、「しま山100選」にも選ばれた、心経山からの景色は、すばらしかった。
香川の山でいちばん眺めがよいのは粟島の城山だと思ってましたが、ここも引けを取らない絶景ぶりでした。
ぜひ登ってもらいたい山のひとつです。
丸亀港から船に乗る
丸亀駅から丸亀港までは、徒歩6〜7分。
牛島、本島行きの本島汽船と、広島、小手島、手島行きの備讃フェリーと2つの船会社の切符売り場があります。
広島行きは、建物に入って右手の売り場です。
建物内には、小さな待合スペースもあり。
行きはフェリーに乗りました。
どちらも料金は同じですが、フェリーは広島まで40分、旅客船は広島まで20分で着きます。
いいお天気。向こうに見えるのは瀬戸大橋です。
船内でもらったパンフレットをチェック。
今回は登山だけですが、次は島歩きをしたいなー。
広島の江の浦港に到着
広島の港は、青木と江の浦の2つ。
登山や観光でアクセスしやすいのは、江の浦港のほうです。
青木は船の便数も少ないので、観光で行く場合は江の浦で降ります。
広島マップ。
今回は、江の浦港から、海沿いを歩いて王頭山登山口に入り、王頭山〜心経山と縦走して甲路に下山し、また海沿いを歩いて戻ってきました。
甲路から江の浦もバスはあるのですが、本数が少なくて間に合わず、これはちょっと時間がぎりぎりになってしまったので、次回は、1本早い便で行くか、港から甲路までバスに乗り、心経山〜王頭山と縦走して江の浦に戻ってくるルートにしようと思っています。
どちらか1つの山にするなら心経山のほうがおすすめ。絶景です。
海沿いを歩く
港を背にして左方向へ。海沿いを歩きます。
石碑のある横道に入る
海沿いを10分ほど歩き、広島市民コミュニティセンターを通り過ぎてすぐ、小さな川を渡ったところに、「王頭山へ」と彫られた小さな石碑が出ています。
この石碑は、広島で採れる青木石でできているそう。
ここを右手に曲がります。
少し歩いて、突き当りにまた「王頭山へ」と小さな石碑が出ているので、ここを左折します。
住宅地を2分ほど歩くとすぐ「王頭山登山口」の看板があります。
そこから登り始めます。
鎖場・岩道・ヤブ道
傾斜はきつめ。
登山する人は少ないと思いますが、登山道は1ヶ月以内に刈った形跡がありました。
いきなり鎖場があります。
でも、ここだけで、距離も短いので、難しくありません。
最初はこんな岩っぽい感じ。
広島は石の産地の島なので、こんなふうにごつごつした箇所が多いです。
王頭山頂上までは、けっこうなヤブ道。
真夏は虫がすごいと思います。
それ以外の時期も引っかき傷になりそうな植物が多いので、肌を覆う服推奨です。
青いテープを目印に
ヤブ率高し。
でも、ヤブの中も、わかりにくい場所や分岐は、写真のような青いテープが貼られているので、迷いにくいと思います。
王頭山は途中ビューポイント多し
王頭山は、途中の景色がすばらしいです。
ヤブ率も高いけど、折々ぱっと視界が晴れるので、イライラせず楽しく登れます。
「ひゃー!」とか「ひょー!」とか「わー!」とかだけで会話していました。
とっても気持ちいい。
下に見えているのは江の浦港です。
王頭砂漠
登山口から王頭山頂上までは40分くらい。
頂上から5分くらい手前のところに、王頭山のいちばんのビュースポット「王頭砂漠」があります。
ここ、入る場所がわかりにくく、看板もないので、注意して歩いてみてください。
王頭山頂上に向かっている場合は右手、王頭山頂上から下りてきた場合は左手にあります。
こんな感じ。
花崗岩の風化によってできた山頂にある砂漠。
ごろごろした大きな石もあり、天空の石庭のような、火星のような、おもしろい雰囲気です。
眺めもよいですよ。
王頭山の頂上は眺望がないので、王頭山だけでピストンする場合はこの「王頭砂漠」がごはんスポット。
王頭山山頂
王頭砂漠から5分ほど登ると頂上です。
ヤブの中で見晴らしなし。
江の浦港から王頭山山頂まででだいたい1時間くらいです。
心経山に向かう:分岐に注意
ここから心経山に向かいます。
看板が出ているので迷わないと思います。
山頂はヤブの中ですが、頂上を下りてすぐにまた素晴らしい景色が広がります。
そのあとは、ほぼヤブ道をガサゴソ下ります。
ヤブですが、よく見ると目印のテープは豊富にあるので、注意して見ていれば迷わないと思います。
踏み跡と青いテープを目印にしばらく下ると、王頭山山頂、心経山山頂、甲路地区への分岐があります。
こんな看板が出ています。
ここを心経山の方へ。
帰りはここまで戻って今度は甲路の方に下ります。
大師堂
心経山は、平安時代に弘法大師空海が修行したといわれている山。
山頂に着くと、大師堂が見えます。山頂は、巨石の上に大師堂と護摩堂が建っています。
王頭山山頂から心経山山頂までは20〜30分ほど。
大師堂の先には石仏があります。
四国の山をめぐっていると、空海のその健脚ぶりとそのものすごい体力に笑いがこみ上げてくるときがあります。
こんな場所をみつけるのもすごい。
しかも、みんなすばらしい景色なんですよね。
たいへんな場所だけど、どこもとても美しくて、信仰がなくても、場所の力で心が洗われるような。
岩場を登って山頂へ
この石仏の左手から裏側にまわると、岩場があります。
ここからは登山道はなく、三点確保しながら、よじ登りました。
登る距離も短く難しくないですが、腕力と脚力がない人はしんどいかも。
わたしもヒーヒー言いつつ笑、登りました。
岩場を登りきると、しま山100選に選ばれた360度の絶景が広がっています。
とってもきれいだけど、なかなか怖い。
岩の下はスパッと下まで切れ落ちた崖になっています。採石した跡だそう。
下をのぞくとみぞおちがきゅっと縮む高さ…。歩くのなかなか緊張しました。
ほんとーにすばらしい景色。
西方向には、笠岡の島たちが見えます。
360度パノラマの絶景です。
心経山&王頭山登山でごはん食べるならここですね。
この日もぽかぽかで、ゆっくりしたかったのだけど、船の時間がぎりぎりで、そんなに時間をとれず、ちょっと心残り。
次はここで1時間くらいのんびりしたいなーと思ってます。
あと、この岩場は身長の低い人だと足のリーチが足りないので、心経山は、誰か(背の高い人)と一緒に行くことをおすすめします。わたし(154cm)も、ここは、ひとりで来ていたら岩場から下りられなそうでした。
甲路に下りる
分岐まで戻り、甲路地区まで下山します。
青木地区まで下りるのと、距離と時間は同じくらい。
バスに間に合わなかった時に、歩いて戻るのに近い方をと甲路地側に下りることにしました。
甲路側の登山道は、見晴らしはないですが、道幅は広くヤブも控えめ。
青木ルートよりも歩きやすいとのことでした。
この分岐から10〜15分ほどで集落のある道まで戻ってこれます。
心経山頂上から甲路地区のバス停まで下りだと30分ほど(登りはおそらく40分くらい)。
歩いて江の浦まで戻る
ぎりぎりバスに間に合わず、甲路から江の浦まで歩いて戻りました。
帰り道でも採石場跡が見られます。
帰り道はずっと海岸沿い。
いい景色が続くので、それもとても気持ちよかったです。
夏は、海水浴に来ても気持ちよさそう〜
甲路から江の浦までは、徒歩で50分ほどかかりました。
丸亀港へ戻る
13時30分発の船に乗って帰ります。
帰りは旅客船でした。
次は、登山ではなく島の散策で訪れたいな。
四国に移住してきてはまったのがこのしま山登山です。
しま山がいいのは、小さな島なら、たった数百メートル登るだけで絶景が見られること。
今回の心経山もたった213Mで絶景でした。
脚力に自信がない人でもすばらしい景色が見られるのでおすすめです。
さぬき広島もぜひ。
さぬき広島へのアクセス
電車とバス
- 最寄り駅は丸亀駅
- 丸亀駅から丸亀港までは約550m。徒歩7分ほど。
- 駅から近いですが、丸亀駅から丸亀港までバスもあり。200円。
- 途中にコンビニなし。丸亀駅内にセブンイレブンとスーパーがあるので、お買い物はここで。
駐車場
- 港駐車場:30分100円、1日最大1000円 ※丸亀港隣です
- 丸亀市営 駅前地下駐車場:30分100円、1日最大1000円
船:備讃フェリー
今回は丸亀市の「公共交通無料キャンペーン」期間中だったので、船賃は無料でした。
キャンペーンの開催期間は、令和5年1月1日~令和5年2月28日まで。
対象は、丸亀市内とバスと、本島汽船・備讃フェリー・六口丸海運の船です。
- 切符売り場:香川県丸亀市福島町127番地16 丸亀駅から徒歩7分ほど
- 片道大人780円 旅客船は20分・フェリーは40分
- 木曜日は時間変更あり
- 第1火曜日は11時台に増便あり
- 4月1日~9月30日までの夏期は、金曜日に増便あり
- 電話:0877-22-3318
丸亀港発 | 江の浦着 |
---|---|
6:05 | 6:50 |
6:50 | 7:11 |
7:40 | 8:01 |
9:25(木は9:25) | 10:10(木は10:15) |
11:05(第1火のみ) | 11:50(第1火のみ) |
11:10 | 11:32 |
13:55 | 14:16 |
15:00 | 15:45 |
17:30 | 17:51 |
江の浦発 | 丸亀港着 |
---|---|
7:15 | 7:36 |
8:35 | 9:14 |
10:15(第1火のみ) | 11:00(第1火のみ) |
10:45 | 11:06 |
12:45(木は13:00) | 13:30(木は13:45) |
13:30 | 13:51 |
16:40 | 17:01 |
17:25 | 18:10 |
18:10 | 18:31 |
18:50(夏期金曜のみ) | 19:11(夏期金曜のみ) |
フェリーと旅客船で時刻表がわかれていてわかりにくかったので、ひとつにまとめました。
到着にかかる時間と船の大きさが違うだけで、料金や航路は同じです。
船酔いしやすい方は、大きくて揺れが少ないフェリーのほうがおすすめ。
青色で表示しているのがフェリーの時刻です。
最新の時刻表は、以下にリンクしたホームページから、直接確認してみてくださいね。
広島行きフェリー・旅客船の時刻表
広島:Infomation
- 島面積:11.66km2
- 周囲:18.5km
- 人口:453人(2020.03)
島内の交通
徒歩またはレンタサイクルまたはバスで。
広いので、一周する場合は、バスかレンタサイクルを。
自転車は、江の浦港の待合所で1日500円でレンタルできます。
コミュニティバスの時刻表
ちょっとわかりにくいですが、おそらくコミュニティバスは1台しかないため、両方向の時刻が書いてあります。
矢印が方向です。
車両は、一般的なバスではなく、「コミュニティバス」と書いた白いステッカーが貼ってある白いハイエースでしたので、見逃さないように注意。
登山する場合に使うバス停は、以下の3つ。
心経山頂上までの距離は、甲路も青木も同じくらいです。
- 江の浦(港の前。王頭山へはここから)
- 甲路(ヤブ少なめ。おそらくこちらのほうが登り降りしやすい)
- 青木(ヤブ多いが、資料館などにも足を伸ばせる)
さぬき広島での食事
島内に飲食店と売店はありません。
広島に行く場合は、お弁当持参でどうぞ。
さぬき広島のトイレと自販機
どちらも広さに対して少なめ。
充分な水分を持って登山や観光をしてください。
- トイレ:江の浦港の前、コミュニティセンターの前(王頭山登山口入り口)、茂浦バス停の前、山の上天望駅
- 自販機:江の浦港内、青木港内、仏木寺の前、あとひとつほどあった気がしますが少なめ。
- 売店:青木地区に1軒
さぬき広島で宿泊できるところ
おそらく2軒のみ。
島旅農園 ほとり
香川県丸亀市広島町江の浦247
070-8409-5969
古民家を改装したお宿。海が見えるほっこり系のお宿。
農業体験もできます。こちらごはんもおいしそうで、帰れる距離だけど泊まってみたいな〜と思っています。
ゲストハウスひるねこ
香川県丸亀市広島町56
0877-29-2734
古民家を改装した田舎のおばあちゃんのおうちのようなお宿。
さぬき広島散策にかかる費用の目安(丸亀港から)
- 船賃:1560円(子ども半額)
- 飲食費:飲食店はないのでお弁当持参。
- 合計:ひとりあたり1560円+自販機代程度
日帰りする場合の滞在時間の目安
登山する場合の滞在時間の目安は3時間20分〜5時間20分。
塩飽諸島の中でいちばん広い島(=広島)なので、あちこち歩いてまわる場合は1日では足りないかも。
船の本数も少ないので、登山と島内の観光は別の日に分けたほうがよさそうです。
今回は、丸亀発9:25→広島着10:10の船に乗り、広島発13:30の船で帰ってきました。
頂上でゆっくりする時間がなかったので、次回はもう1本早い便で行こうかなと思っています。
個人的なおすすめの時期
- 2月〜6月
- 9月〜12月
真夏以外は楽しめます。
登山初〜中級者の冬の山としておすすめ。
登山したいけど冬山に登るほどの技術がないという人にちょうどいい感じだと思います。
冬のほうがガスも少ないので、岡山まできれいに見えます。
おすすめできないのは真夏。特に8月。
きれいなのですが、虫がすごく、炎天下の里山はきついため、あまりおすすめしません。
バスに乗り遅れた場合も、自販機や日差しを遮る場所が少ないので、夏に遊びに来られる場合は、7月中または9月になってからどうぞ。
広島前後にどうぞ:丸亀駅から徒歩で行けるおすすめのエリア
カフェ・飲食店
Café MIMOCA | まちのシューレ963
香川県丸亀市浜町80-1 猪熊弦一郎現代美術館内
0877-35-9613
10時00分~18時00分
定休:月曜
まちのシューレ963が出店している美術館併設のカフェ。カフェのみの利用もできます。
カフェメニューも、どれもおいしくて、店内もすてき。
物販もかわいいものがたくさんあります。お気に入り。カフェだけの利用でもよく行きます。
cafe la taupe
香川県丸亀市通町28-3
0877-23-3008
11時30分~17時00分, 18時00分~21時00分
定休日:月曜・火曜
アンティーク感漂う隠れ家的なカフェ。カフェの雰囲気と異なりごはんものはガッツリ定食系です。
いごこちよし。
お買い物など
エースワン JR丸亀店
香川県丸亀市新町6-3-50 丸亀駅構内でとっても便利。
お惣菜がびっくりするくらい安くておいしい。
お惣菜コーナーにある100円バーガーは、お弁当にちょうどよくて島歩きにおすすめ。おいしいよ。
観光
猪熊弦一郎現代美術館
香川県丸亀市浜町80-1 丸亀駅目の前
10時00分~18時00分
定休日:月曜
入館料300円 + 特別展は別料金900円ほど
駐車場:美術館利用でJR丸亀駅前地下駐車場が2時間無料
香川に観光に来たらぜひ行ってみてほしい美術館のひとつ。谷口吉生さん設計の建物もすてきです。
丸亀城
香川県丸亀市一番丁 丸亀駅から徒歩10分ほど
駐車場:無料
見晴らし最高で、丸亀の街が一望できる。天守に登る場合は200円。
園内も広く、散策も楽しい。
訪れた日:2023年2月22日
ではまた!
本日も、数あるなかからこのブログからお越しくださり、ありがとうございます。