【分子栄養学】睡眠の悩みがなくなるまでにしたこと

不眠症が治るまで
もくじ

これまでの睡眠の悩み・不眠症

悩んでいた症状

  • 入眠障害(なかなか寝付けない)
  • 中途覚醒(夜中に何度も起きてしまう)
  • 悪夢を見る
  • 早朝覚醒(眠いのに早朝に目覚めてしまう)
  • 熟睡できないことにより毎日朝から疲労感がある

睡眠全般に悩んでいました。
うつだった数年間は完全に不眠症で、抗うつ薬と睡眠薬を毎日飲んでいました。

過去に試した治療法

温泉、マッサージ、リラックス、軽い運動、漢方薬、マクロビなど。
どれも根本的な解決にはならず。
常に体に疲労感とガチガチのこわばりがあり、20年以上通っていた漢方のクリニックにでも「体が常に過緊張状態だ」と指摘されていました。

何十年と睡眠に悩んでいたのに、栄養療法を始めたらいつのまにかぐっすり眠れるようになり、みるみる変わっていく自分の体に自分でもとても驚きました。

悪夢も「トラウマが原因か」と、何年もセラピーを受けたり、自分の内側をみつめたりしてきました。
栄養不足が解消されたらけろっと見なくなり、「あの数十年はなんだったんだろう…;;」とちょっとがっくりしたり笑。
いまでは、寝室はとてもしあわせでリラックスできる空間になり、それがとても嬉しいです。

大事なのは栄養でした。

ぐっすり眠るために大切なもの

快眠に特に必要な栄養は

快眠に必要な栄養
  1. タンパク質(アミノ酸)
  2. ビタミンB群(中でもB6)
  3. ナイアシン

さらに、以下もできると、より安定します。

  1. 糖質を控える+脂質の摂取
  2. マグネシウムの摂取

大事なのは睡眠ホルモンが正常に分泌されること

脳内で働く神経伝達物質にセロトニンとメラトニンがあります。
この2つが睡眠に深く関わるホルモンです。

しあわせホルモンのセロトニン

セロトニンは、気分を安定させたりストレス耐性を上げてたりしてくれるホルモン。
「しあわせホルモン」「リラックスホルモン」と呼ぶ人も。
セロトニンが不足すると、ネガティブ思考、イライラ、不安感などが起こります。

セロトニンは、メラトニンの材料でもあります。

快眠&美肌ホルモンのメラトニン

メラトニンは、覚醒と睡眠のバランスを整え、体内時計を調節してくれるホルモン。
「眠りのホルモン」と呼ぶ人も。
高い抗酸化力も持つので、メラトニンが不足すると、睡眠のリズムが乱れたり、肌荒れが起きたりしやすくなります。

メラトニンはセロトニンを原料に作られます。

なぜ栄養で不眠が改善するのか

栄養で睡眠が安定する仕組み

栄養の流れは、川の流れのようなイメージです。
上流の栄養が不足すると、下流の栄養も不足します。

まず、おおもととなるのが、タンパク質
タンパク質そのものがなければ、下流に進むものがありません。

次に、このタンパク質(アミノ酸)からセロトニンを合成するのに必要なものが、鉄やビタミンB6、ナイアシンなど
このビタミン類が不足するとセロトニン合成がうまくいきません。
また、ナイアシンが不足していると、セロトニンのもととなるトリプトファンがナイアシンの合成に使われてしまうため(体は栄養をどこに先に流すか優先度をつけています)、結果的に、セロトニンになるトリプトファンが不足して、セロトニン不足になります。

セロトニンが不足すると、メンタルが不安定になったりネガティブ思考になったり。
また、メラトニンを作る材料も不足することになるので、ぐっすり眠れなくなります。

イライラするから眠れないというよりは、セロトニンが足りないからイライラし、メラトニンが作れなくなるから眠れなくなるんですね。

ナイアシンで不眠が解消するのには、セロトニン合成の滞りが解消されるためです。

でも、もともとの土台となるタンパク質そのものがなければ、すべてが足りなくなります。
じゅうぶんなタンパク質がもっとも大事です。

不眠対策に必要なのはたんぱく質」 by三石巌先生

夜間低血糖に注意する

次に大事なのが、糖質を控えること。
特に寝る前の糖質を控えることが大切です。低血糖は直前の高血糖が原因で起こります

糖質で過緊張・イライラ・不眠が起こる仕組み

  1. 糖質をとる
  2. 血糖値が上がる。上がりすぎるとインスリンが出る
  3. インスリンが出ると血糖は下がるが、血糖スパイクを起こす人は下がりすぎる
  4. 下がりすぎると、体はまた危機を感じて今度はアドレナリンやコルチゾールなどのインスリン拮抗ホルモンを出す
  5. アドレナリンやコルチゾールはストレスに対するためのホルモンなので、体は危機体勢に入り、緊張・興奮状態となる

これが糖質で過緊張やイライラが起こる仕組みです。

寝る前に糖質を取りすぎてしまうと、高血糖後に低血糖が起こり、アドレナリンやコルチゾールが分泌されて、体が興奮状態となります。

この糖質への耐性は個人差がとても大きいです。
「ほかの人はこれくらいふつうに食べてなんともない」と思っても、もしかしたら血糖スパイクが起きやすいタイプかもしれません。

アドレナリンやコルチゾールは「闘争&逃走ホルモン」でもあります。
心が不安定だったりネガティブになりやすかったり体がガチガチだったりしたら、糖質も疑ってみるといいかもしれません。

わたしは夜はほとんど糖質をとらなくなりました。
取るとしても、午後2時くらいまで。炭水化物もお昼だけにしています。

糖質量を考えるとき、
「パンじゃなくてご飯ならいいんでしょ」
「白米じゃなくて玄米ならヘルシーでしょ」と思いがちなんですが、糖質は糖質です。
お茶碗一杯ぶんのごはんの糖質量=角砂糖15個分」ありますよ。

歯ぎしりや食いしばりも夜間低血糖が原因かも

歯ぎしりや食いしばりも緊張から起こるので、夜間低血糖が起きているかもしれません。
朝、顎が疲れていたら、糖質量の見直しをしてみてください。

糖質を制限するならしっかりタンパク質と脂質を取る

糖質制限でよくしてしまうのが糖質だけ制限することで、これをするとエネルギー不足(ATP不足)になります。
糖質を控えるなら、そのぶんタンパク質をしっかりとり、脂質もしっかりとることが大事です。

寝る前のバターもおすすめ

高タンパク+低糖質でほとんどの人は快眠できるようになりますが、「もうすこし深く眠りたい」と感じる人は、寝る前にバターを数十g食べるのもおすすめです。
寝ている間に血糖が下がらないので、より深く眠れるようになります。

わたしも、日中と寝る直前にそれぞれ20gずつバターを食べています。
脂質は、ホルモンの材料でもあるので、脂質、大事です。

悪夢をよく見るならB6不足も疑ってみる

タンパク質の代謝にもたくさんB6が使われるので、Bコンプレックス(B-50やB-100)をとっていても、悪夢やつわりに似た症状がある場合、B6を追加でとってみてもいいかもしれません。

わたしは、生理前に悪夢を見たりPMSが起きたりするので、このときだけB6単体を追加して飲んでいます。

体のこわばりや足のつりがあるときはマグネシウムも追加する

タンパク質の代謝にマグネシウムが使われるので、高タンパク食をしているとマグネシウムが不足してきます。
いまはATPセットに最初からマグネシウムが入っていますが、高タンパクしている人は、マグネシウムも一緒にとったほうが安心です。

マグネシウムを充分にとるようになってから、夜中に足がつることがほとんどなくなりました。
マグネシウムも個人差と体調による必要量の差が大きいので、体感を見ながら増減します。

光を取り入れるとさらに手助けになる

わたしたちの脳は、毎朝光を浴びることで体内時計を調節しています。
わたしは日差しの強い地域に住んでいるので、いまのところ必要ないかなと感じていますが、冬の日照時間が短い地域に住んでいる人や、起床時間が朝でない人は、光療法ができるライトも助けになると思います。

日焼けしたくない人でも、日中手のひらだけ10分ほど日に当てるのでも、ビタミンDが生産されるので、効果はありますよ。

わたしが睡眠のためにしている毎日の習慣

  1. 遅く起きない
  2. 朝と昼にタンパク質と脂質をしっかりとる
  3. 糖質を取る場合は午後3時くらいまでに
  4. 風邪をひいたとき以外、昼寝は30分以上しない
  5. 蛍光灯は使わない(やわらかな光に変える)
  6. 夜は基本的に糖質を控える(低血糖は高血糖から起こるため
  7. エプソムソルトなどマグネシウム摂取ができる入浴剤を入れたお風呂に入る
  8. 寝る前にプロテイン、バターなどの脂質、ナイアシンをとる
  9. 12時までにベッドへ&スマホは持ち込まない

快眠のためにしている毎日の具体的な食事内容

  1. お肉かお魚を200g/day
  2. 卵3個
  3. プロテイン(タンパク質量で)20〜30g×3(朝・午後3時・寝る前)
  4. EAA:7〜10g(起床時)
  5. 動物性脂質(バター20g×2または生クリームなど)
  6. 鉄サプリ:100mg前後
  7. ビタミンC:8~10g
  8. ビタミンB群:300mg(3回にわける)
  9. ナイアシン:1000mg+ナイアシンアミド1500mg(夕食ごと寝る直前)
  10. マグネシウム(酸化マグ以外):800〜1000mg
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